希望のメッセージ 9月17日

 フロムは,希望を「うずくまった虎」に喩えている。虎は獲物をねらって静かに待つ。しかし,それは受け身的に獲物がやってくるのを待っているだけではない。獲物が近づいてきて,跳びかかるべき瞬間が来たときに,一瞬にして跳びかかっていけるように,虎はいつでも準備をしていなければならないのだ。フロムによれば,希望をもつということは,「まだ生まれていないもののためにいつでも準備ができているということであり,たとえ一生のうちに何も生まれなかったとしても,絶望的にならないということ」なのである。
 
 ――都筑学 『希望の心理学』
 
 

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