希望のメッセージ 11月20日

 希望だけで世界を変えることができると考え,思慮なしに行動に突き進むことは,失望,ペシミズム,宿命論に陥っていく人間のおきまりの誤りだ。とはいえ,よりよい世界を追求するたたかいにおいて希望がはたす役割を否定し,あたかもたたかいが純粋な計算の行為,たんなる科学的操作の遂行のように思い込むとすれば,それもまた軽薄な妄想というべきだろう。希望というものは事実だけではなく,たたかいの倫理的質に根を下ろすものであって,希望を切って捨てることは,たたかいの大黒柱の一つを否定することに等しいのだ。
 ――パウロ・フレイレ 『希望の教育学』
 
 

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