希望のメッセージ 11月3日

 希望と信念は生命に欠くことのできない要素であり,まさにその本性からして,個人的にも社会的にも,現状を超える方向に動いているものなのである。すべての生命の持っている性質の一つは,それが常に変化の過程にあり,どの瞬間をとっても決して同じ状態を保つことはないということである。よどんだ生命は死に向う。よどみが完全になれば,それはもう死が起っているのだ。だから流動的な性質を持つ生命は,現状から抜け出してそれを克服するという方向に向うことになる。私たちはより強くなるかより弱くなるか,より賢くなるかより愚かになるか,より勇敢になるかより臆病になるかのいずれかである。あらゆる瞬間がより良い,あるいはより悪い方向へ向う決定的瞬間である。
 
 ――エーリッヒ・フロム 『希望の革命〈改訂版〉』
 
 

コメントは受け付けていません。

このページの先頭へ