希望のメッセージ 11月9日
人間が支配力を握る社会的,文化的秩序の方向に進歩するか否かは,絶望と取り組む私たちの能力次第である。まず第一に,私たちはこの絶望を認識しなければならない。第二に,私たちの社会的,経済的,文化的生活を新しい方向に変えることによって,再び希望を持ちうるようになる可能性が真にあるかどうかを検討しなければならない。この真の可能性が存在しないのなら,まさに希望など全くの馬鹿げたことでしかない。しかし真の可能性が存在するとしたら,希望はありうるのだ。新しいいろいろな道や選択の検討と,これらの新しい道を実現させるための一致協力した行動とに基づいた希望が。
――エーリッヒ・フロム 『希望の革命〈改訂版〉』