希望のメッセージ 8月6日

 希望と不安は,同じコインの表と裏の関係にあるといえるかもしれない。大きなコインの表に乗れば,裏側を見ることはない。だから,希望に満ちているときには,誰も不安を感じない。逆に,不安に苛まれた状態にあるときには,希望が全く見えてこなくなる。しかし,また別の視点から,このコインを眺めてみるとどうだろうか。希望と不安とは常に一つのセットとして組み合わされていることに気がつく。希望だけの人生もないし,不安だらけに彩られた人生というものも存在しないということなのである。
 そうしてみると,希望と不安とは常に互いを通して,透けて見えているようなものだともいえるのではないだろうか。また,希望と不安が拮抗して,お互いに押しくらまんじゅうをしているようなものだともいえるかもしれない。
 
 ――都筑学『希望の心理学』
 
 

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