希望のメッセージ 10月1日

 「希望の未来はない」という声があった。私も「希望の未来はあるか」という問いに対して,「ない」,あるいは「ある」という二つの感じ方の間で揺れている。しかし、希望は「ある」と考えるものではないのではないか。
 希望があるとはいえない。希望の未来があるとは,さらにいえない。しかし,希望がないといって生きていくことはできない。希望の未来がないといって生きていくこともできない。希望をつくっていくことが必要なのだ。
 
  ――大江健三郎 朝日新聞1995年12月9日
 
 

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